諸星未来堂ープ

夏も本番な八月第一週


MOROBOSHI Tomorou's
Warp Diary
1998 August 1st Week


Japanese-Language Contents


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でも、よいこは両方ともブックマークしておこうね!
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MOROBOSHI Tomorou's Warp Diary 1998 August 1st Week
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980408【SAKURA】(CASIO QV10A)
980327【BlueWater】(CASIO QV10A)

【お知らせ】

 8月4日の20時着のフェリーで、壱岐から無事に福岡に戻ってきました。

 えーと「酔ってる」「疲れた」「暑い」「日焼けが痛い」等の理由で、土産話は、また後日ということで。

 結論だけ書いておくと「夏の島に遊びに行くのは、晴れに限るな!」ということです。

 一言でいうなら「楽しかった!」ということでしょうか。


980804a[ IKI life / 壱岐旅行3日目(火) ]

【注意】この旅行記は事実を元にして脚色されたフィクションである。特に登場人物とその台詞は複数人物が融合・シャッフルされてできている。よって、実際の人物像とキャラクターが異なっている場合があることを了承の上で読んで頂きたい。また、時系列も一部話を円滑に進めるために入れ替えてある場合がある。

 最終日の朝が来た。

 8時半に起きて、どたどた食堂に行くと、2/3の人々は朝食を終えていた。「ねむーい。食欲ねー」といいながら、ご飯を2杯食べる。旅行中は、朝食食べる気になるから不思議だよな。

 朝風呂を浴びたいところだが、本日10時でチェックアウトで、本日風呂に入るときは200円の別料金になるので断念。200円ぐらい払ってもいいが、支払いが幹事経由になるので、幹事の仕事が煩雑になるからねぇ。


 と、いうわけで、荷物をまとめて9時半に玄関集合。

 フェリーが17時45分発なので、「昼過ぎまで海水浴して、おみやげ屋でおみやげ買って、フェリーのって帰る」ということになる。

 が、泳ぎ続けだったので「午前中自動車で観光する組」が別行動することになる。オレは、どうもまだ身体が目を覚ましてない気配なので、午前中は自動車で観光する組に入ることにする。

 と、いうわけで、荷物は民宿の食堂の片隅に山積みにしておくことにして、観光に出かける。


 本日の服装は、上はTシャツに長袖シャツ、下は短パン、足はスニーカー、帽子着用。昨日、タンクトップでウロウロしたら、思いっきり焼けたので、本日は半袖のTシャツにする。


 荷物は、リュックに、傘とカッパ(敷物兼用)、薬セット、双眼鏡、デジカメ、ウクレレ、海水パンツ、競泳ゴーグル、サンダル。海パンとゴーグルは、観光に行った先に「よさそうな浜辺」があったりした場合、すかさず海に入るため。水中観察にはゴーグル必須。けどフルフェイスの水中メガネはかさばるのでパス。浜辺ではサンダルが必用だけど、観光する時は悪路を歩かなくちゃならないかもなので、通常歩行用にはスニーカー。


 と、いうわけで、普通乗用車1台、軽自動車1台の計2台で8人が移動することになる。

「どこ、行こうか?」「べつにー」という、思いっきりだらけた観光者ども。と、いうのも「まぁ、とりあえず見ておくべき所」はすでに昨日まわってしまったのだった。

 しかも「昼飯は民宿に弁当を頼んだので、13時までには一度戻って弁当を受け取ること」という指令が出ているので、3時間で往復できるところまでしか行けない。

「イルカちゃんでも、見るか?」「そうしましょうそうしましょう」ということで、壱岐の最北端にある「かつもとイルカパーク」に行って、イルカちゃんを見ることにする。


 いったん、郷ノ浦まで出て、そこから勝本まで北上。途中道に迷って港から海中にダイビングしそうになりながら、約30分で、イルカパークに到着。

 入場料200円。安い。

 入口に「朝の餌付け(10:00)は終わりました」の看板。現時刻は10:30。しまった。しまったって、出発したのが10:00なんだから、間に合うわけがない。わははは。

 で、イルカを見る。なんか「わんぱくフリッパー」から連想する「イルカ」よりはむしろ「シャチ」というか「小型のクジラ」を連想させる真っ黒でなんとなく怖いイルカが2頭ぐるぐるしている。

シャチっぽいイルカ
980804
【シャチっぽいイルカ】
(CASIO QV10A)

「モロさーん、なんか、ここのイルカ、イルカっぽくないですよ」
「そうやね。イルカっぽくないイルカの種類なんだろう」
「なんか、シャチっぽいですよ」
「そうやな、シャチっぽいイルカの種類なんだろう」
「本当は、シャチの仲間なんじゃないすかー?」
「うーん、おめー、クジラとイルカってのは厳密な区別があるわけじゃなくて、クジラ目ハクジラ類の動物で小型なやつをイルカって呼んでるだから、イルカもシャチもクジラも、みんなクジラなんだよ」
「へー、でも、このイルカ、やっぱ、シャチっぽいですぜ」
「いいんだよ、シャチでも。シャチはクジラ目イルカ科の動物なんだから、シャチだってイルカだ」
「でもー」
「うるせー、クジラ目のハクジラで、体長5メートルなけりゃ、姿形がどうあれ、それはイルカだ。こいつが5メートルあるように見えるか?」
「うーん? よくわからんですが、なさそうです」
「じゃ、イルカだ」
「いわれてみれば、イルカみたいな気がしてきました」
「よかったな。来た甲斐があったじゃないか!」

 と、いうぐあいに、なんか顔の横に付いた眠そうな目でときおりこっちを見ながら、ゆうゆうと泳ぎ、鼻からブシューと息を吐くイルカなのだった。

 すると、小学生ぐらいのお子様二人が全速力で突っ走ってきて、オレの横の手すりに飛びついて指さして一言、

「あッ! 見ろ! クジラだ!」

 お子様ってやつは身も蓋もない、天真爛漫なもんだな。

 さて、このイルカパークというのは、実はその昔、漁場を荒らす害獣としてイルカを駆除していたところ、いわゆる「イルカは僕らの友達さ!」な団体から猛烈抗議を食らってしまって、野放しにすると漁場を荒らされるし、さりとてつかまえて殺すわけにもいかず、しかたなく「イルカを拉致監禁する場所」として発達してきたものである......と説明すると、多分、怒られるのだろうけれども、説明看板に「昭和53年の国際的に問題となったイルカ騒動以来、イルカをいかした観光の町作りをめざして」と書いてあるのを見ると、どうしても「イルカが好きで好きでたまらないニューエイジ野郎が田舎でイルカと共存する場所を作ろうと」というわけじゃないってのがプンプンするんだよなぁ。

 このシャチっぽいイルカと別に、入り江をブイと網で仕切って作ったいくつかのプールに、合計14頭のイルカが飼われている。

 で、ぶらぶらとイルカちゃんたちを眺めるのだが、餌付け時間でもないし、ここのイルカたちは芸をするわけでもないので、濁った海水から時より出現して息つぎするイルカを眺める、という、なんとなく「期待したほどすごくないー」というパークなのである。

 どうも、始めてきた連中は不満そうなのだが、オレは、ここのイルカはぐるぐる泳ぐだけで、あんまり芸をしたりしないことを知っていたので「こんなもんか」的にのどかな気持ちである。ジャンプして芸をしてくれるイルカが見たけりゃ、福岡に帰ってマリンワールド海の中道に行って、死ぬほど見ればよろし。

 ま、動物園でカバを見ていると思えば、腹も立たないじゃないか。

 とはいえ、説明をちゃんと読まなかったのでよくわからないが、いわゆる「わんぱくフリッパー」型の「イルカらしいイルカ」もちゃんといるのである。カワイルカというのかな? おでこがあってくちばしがあって。

 で、新しく生まれた子供イルカを間に挟んで、親イルカ2頭と一緒に、川の字になって、海面上に、ざっぱざっぱと登場しつつ泳いでいくのを見ていると「おぉ、イルカじゃないか!」という気持ちになってくる。

 で、どうもよくわからないのだが、隣のプールのイルカの動きを見ていると、同じ方向に泳いでいるわけでもないのに、海上に出てくるタイミングこの親子イルカと同じなのである。きっと、水中にはイルカ達の超音波会話がキュルルルルルーと流れてて、複数のグループが同期信号に乗ってスイミングをしてるんだろう。うーん、すげーイルカっぽい。

 白黒まだらないかにもイルカ型のイルカがいて、お子様連中は「イルカだ! 白いイルカだ!」と大喜びなのであるが、このイルカちゃんは潜水マニアらしくて、一回息継ぎに出てきたら、10分ぐらい出てこないのだ。しかも、一度の息継ぎが数秒なので、なかなか目撃できないのだった。お子様軍団が「次の浮上は見逃さないぞ!」と息を潜めている目の前を、同じプールの同居人である、でかい黒いイルカが悠々と泳ぐのだった。

 実は、オレには今回「イルカの頭を叩く」という使命があったのだ。別に「頭」でなくてもいいのだが、イルカの皮膚というのはどういう皮膚なのだろう? という疑問が。表面が黒くてぬらぬらしてる海の動物なのだから、アシカとかオットセイとかと似てて(アシカ、オットセイも触ったことないが)、「なま暖かいウェットスーツみたい」というか「魚屋に転がってるでかい魚がなまあたたかい感じ」なんだろうと思っているのだが、なんとなく、質感として「風呂桶」っぽくないだろうか? 合成樹脂製の「バスタブ」というか。

 で、あるからして、常識から考えて、イルカの頭を叩くと「ペシペシ」というか「ビチビチ」というか濡れた犬を叩くような質感であろうとは思うのだが、心の片隅で「ぽこぽこ!」とか、軽く乾いた音がしたらどうしようという疑念が渦巻いているのである。

 なんというか「へー、イルカってFRP樹脂でできてたのかー!」とか。いや、そんなことはありえないが。ありえないが、バキュームフォームで大量生産してたりしそうな気がしないでもない。ウミガメの甲羅なんて、どう考えてもシリコン型で複製してるし(してないしてない)。

 と、いうわけで、最初のシャチっぽいイルカのプールに向かう。ここは、餌付けのためか、プールの中に張り出した浮き台があって、イルカもそのすぐ近くまでくるので、横を通るイルカの背中あたりなら、ビチビチと叩ける可能性がある。

 で、待っているのだが、なかなか近づいてこない。たまに1メートルほど離れた所に浮かんできて、ちょっとタレ目な眠そうな目でこっちをジーっと見て、ブシューと鼻息をするだけだ。

 と、何度目かの息継ぎの時、手を伸ばしたら届くかもな距離に浮上してきた。うー、右手にデジカメ持ってるから、これ置いて手すりつかまないと、危ないかもなぁ、と思ったその時、

「触りたいッ!」と雄叫びをあげて、オレの隣でおとなしくイルカを観察していたオネーサンた、突如、もの凄いスビードで「両手を」イルカの方に伸ばしたのだ! 雄叫びも凄いが、両手ってのも凄い。プールの中に浮いている浮き台の縁にしゃがんだ姿勢から両手を前に突き出す。いや、もぉ、なんというか「プールに落ちそう」というよりむしろ「プールに飛び込む」というような姿勢を。

「うわ、あわわわわ」ぐらぐらぐらぐら。

「危ないじゃんもー。わはは」とオネーサンの連れがオネーサンの襟首だかをがっしりつかんで引き留めて、オネーサンも「そりゃ、両手出したら危ないよね、アハハ」って顔で笑って、すっかり「お茶目なラブラブカップル」って風景に収まったんであるが、ぐらぐら揺れてる浮き台の上で、右手にQV10A、左手で手すりを持ってるオレはけっこう、かたまってしまっているのだった。

 で、オレが固まってる横を、シャチっぽいイルカは悠々と泳いで、ブシューっと息継ぎするのだった。

 背中の鼻の穴から吹き出す飛沫を見ながら「さすがシュノーケルクリアの本職だよなぁ」とか、よくわからないことを考えるのだった。

 と、いうわけで、とっさに両手を伸ばしてプールにダイヴする程の情熱を持ってイルカにタッチする気がないオレは「イルカの頭叩き作戦」を断念するのだった。

(980813追記:イルカとイルカパークに関してはワープ日記980812a[イルカちゃんの秘密]に補足したので読むと吉。)


 イルカパークでほどほどに時間をつぶしたので、宿に戻る道を南下しつつ、途中で面白そうなところをブラブラすることにする。

 勝本イルカパークから、壱岐の東海岸沿いの道を南下していると、昨夜、キモダメシに来た男岳に到着。

 実は男岳の隣りにはペアになる女岳があるのだ。昨夜も男岳の石猿神社の帰りに女岳も登ろうと思ったのだが、暗くて道がわからなくて、断念したのだった。

 そのような訳で、女岳登山道を探せ! 大作戦。「女岳登山道入口コチラ」と書いた看板が何カ所もあるのだが、その矢印通りにすすんでも、それらしい入口のないまま、どう考えても山じゃない所に出てしまう。

 女岳には、自動車で上れるような道がないのでは? と思っていたところ、一カ所だけ、自動車一台分の幅で山に向かって伸びている道路を発見。「よしここだ!」と乗り入れて、ぶろろろろーと登ってカーブを曲がったところで山から伸びた木が、道一杯に枝を垂らしていて、なんか「これは行き止まりでは?」的なやばい雰囲気。切り返しができる道幅はないので、ぶろろろろーっとバックで走らねばならない。

「ちょっと待ってろ、先を見てくる」とばかりに助手席から飛び出して、坂道を全力疾走で登るの、で、あ、る、が、はぁはぁ。すぐ息が切れた。

 道路は「これなら大丈夫じゃーん」という雰囲気を漂わせながら、ところどころ雨水で道路の真ん中がえぐれているという「けど、過信してるとやばいかも」な信号を出している。バックで下った方がいいのか、無理して上がってきて方向転換した方がいいのか、わからないまま走り続けて、なんか3分も4分も坂道を走っていると、突如、ぽこっと開けて、畑。

 道はさらに上に向かって伸びているのだが、畑で農作業している人の軽トラが道路の真ん中に、でーんと駐車してあるのだった。

 で、農作業してるオッチャンは、オレが「農業用具の中で一番戦闘力が高そうだ」と常々思っている「回転カッター」で、畑の背の高い草をバシバシバシバシっと刈り取っている最中だった。農作業を中断してもらってまで登らなくてもいいし、何より、回転カッターを操作してる人に近づきたくないので、坂道を走り下るのだった。

 あー、自動車がいなーい。がーん。

 って、すぐ横の脇道に止まってたんだけども。リュック持ってきてれば、置いてけぼりくらっても、歩きなりバスなりでブラブラ戻るのだが、手ぶらで置いてけぼりくらったら、やっぱイヤーンだな。

「ここが女岳の登山道なのか? 別にあるのか? そもそも、女岳には自動車で上れるのか?」と議論していると、地元のオバチャンらしき人が、のこのこと歩いてくるのだった。おぉ、これはありがたい。

「あのーすみません、ボクら『おんなだけ』に登りたいんですけど」
「オニーチャンたち、男の子だけじゃないの?」
「いえ、『おとこだけ』は昨日登ったんで、今日は『おんなだけ』に登りたいんですけれども」
「女の子、いないじゃない」

 と、若干脚色くさいお約束なトンチンカンな会話の後、やっと「男岳」が「おんだけ」、「女岳」が「めんだけ」と発音するものだと判明したのだった。「おんだけさんなら自動車で登れるけど、めんだけさんは登らんねぇ」とか言われてしまったので、断念するのだった。


 と、いうわけで、もぉ道路を南下して宿に戻ろうという話になったのだが、そこからちょっと北上すると「赤瀬鼻」という、壱岐の北東の端の岬に行けるのだった。「オレは海が見たいんだー!」と叫ぶ運転者によって、問答無用に車は北東を目指して走るのだった。

 んが、しかーし、道路はきれいに舗装されているとはいえ、農業用に整備されたらしい道路は狭くてぐねぐね曲がっていて、畑と畑の間をぬって走っていて、ふと方位磁針をみると、北に向かっているはずが、思いっきり西に向かっていて「通り過ぎてるぞ、赤瀬鼻!」ということで、引き返して、「これじゃなよなぁ?」という細い道に入り込んで、それが思った以上に奥深くまで続いているので「これかー!」と思っていると、程なくUターンして、さっき入った曲がり角の次の曲がり角から本道に戻ってしまったりするのだった。農道だからして、林の中をぐねぐね走って、結局、戻ってきてしまうのだ。

「うおー、オレをどうあっても赤瀬鼻にいかせないつもりかー!」

 叫びながら、なんども何度もダマされながら、ひたすら北に向かう曲がり角に入ったり入らなかったりしていたら、

「壱岐対馬国定公園 赤瀬鼻 長崎県」という看板が。なーんだ、やっぱりあるんじゃん、赤瀬鼻。

赤瀬鼻展望台
980804
【赤瀬鼻展望台】
(RICOH DC2L)

 おぉ、ええ風景じゃ。雄大じゃのー。

 雄大な眺めに誘われて、展望台から下の方へ、海へと続く道をざくざくと進んでいくと、あっという間に、なんかヤブの中に道がつっこんでいるのである。

 うおおお、むわーっと暑い。

「いいなぁ、なんか、ハイキングに来たみたいだ」
「なんかマムシが出そうなヤブですね」
「あぁ、いい天気だなぁ」
「暑くて、脳がどうかなりそうですよ」
「なんか、不満でもあるのか?」
「べーつにー」

 何か言いたげな連中のことは無視して、前進前進。

 と、ついに、海に突き出した岬のてっぺんに小さな祠があって、道が行き止まりになったのだった。

 おぉ、なんか、溶岩っぽい岩肌だなぁ。海は青いというか群青というか、なんかすごい色だ。

 岬の下を見ると、岩がゴロゴロしているけど、なんかすげー泳ぎたくなるような海岸である。

「ハウッ!」

 岬の下に下る道を発見! ほほほ! と、岬の下に下ろうとした途端に、

「サンダルばきなんですから、そんな道、下れませんよ」
「なぬー? お前ら、サンダルだったのかー? ダメだなぁ、こういうときのために、オレはちゃんとスニーカーはいてきたのに」
「モロさんが、こんなときだのどんなときだのに対策ねってるかしりませんが、ぼくらは遠慮しますからね。先に帰ってますから、一人で泳いで、歩いて宿まで戻ってきてくださいね」

 ぐぬぬぬぬぬ。さすがに壱岐の最北端に一人置き去りにされたらたまらんから、オレも海水浴を断念するのだった。くー、これだから用意の悪い奴は困る!

 って、オレが過剰な装備で、妙なシチュエーションをてぐすねひいて、まちわびすぎ。


 自動車飛ばして、南下南下。

 途中、「二日同じところで泳いだから飽たぜー、今日は、ここでおよぐぜー」と、海水浴組が地図を指さしていた砂浜を発見。

 うーん、ここも遠浅だけども、砂浜がやたら広いから、ビーチバレーには最適だなぁ。あれー、でも、ビーチバレーのネットがはってないよー?

「待たせたな! 到着ぅうううう!」

 と、砂浜に走り出したけれども、いねーんでやんの、海水浴班。

「駐車場にワゴンがないから、ここには来てないみたいですね」

 そういうことは、オレが浜辺に向かって走り出す前にいってくれよー。


 田園風景の中を南下する。

 海中の小島まで、浅瀬が伸びていて、鳥居が立っている、というオレ的にすげーナイスなシチュエーションがあったので「とめろー車をとめろー!」と叫ぶのだが「とめてもいいけど、歩いて戻ってくださいね」と言われるので断念なのだー。うーううー。


 宿に到着。

 赤瀬鼻に行く道の途中で我々を裏切った後続車は、まだ戻ってきていない。あやしい。

 クーラーのきいた食堂で、弁当を食べて、うだうだする。


 13時すぎ、海水浴組が、弁当を取りにやってきた。

 結局、さっき我々が行った海水浴場を目指していたのに、発見できなかったので、昨夜、花火をした浜辺で泳いでいるらしい。

 と、いうわけで、海水浴装備を装着して、しゅっぱーつ!

 って、あれ? 観光組、誰も海水浴に行かないの? あ、もーくたびれたの? そうかー。じゃ、オレだけいっちゃうからね。


 と、いうわけで、本日の海は、昨夜の花火会場なわけです。

 いままでの浜辺と違うところは、岩場が大きくて、お魚ちゃんがたくさんいることです。

 いやー魚がたくさんいて、海草がたくさんあると、シュノーケリングも楽しいなぁ。って、海草がたくさんあると、ちょっと怖いんだけど。

 と、岩場の反対側までぐるっと泳いでしまいましたよ。仲間達はここで上陸して岩場の上を歩いて帰るようですが、足ヒレ者な私はろくろく歩行ができないので、また水中を戻るのです。

 岩場観察は、足ヒレよりも、スポーツサンダルの方が向いているようですね。


 さて、本日は砂浜が広いので「ブーメラン投げ」をしてみましょう。

 右利き用のブーメランは風に向かって右45度方向を狙って、地面に水平かやや下向きに投げるのが基本です。

 うーむー、風が海に向かって立ったときに右側から吹いてるので、投げる方向は、さらにその右側......うーん、砂浜の崖というか、松林というか、投げにくいのぉ。

 ゆるい登り斜面になっているので、水平に投げたら、一発で浜辺に突き刺さりますねぇ。こまったなぁ。ちょっと上向きに投げよう。

 おぉおおお、あぶねー、海水浴してる人らの頭の上30cmぐらいを、プラスチック製のブーメランが、ぎゅんぎゅん回転しながら、水平飛行するぜーするぜー。

 しかも、上空の風にあおられて、投げた地点よりも、ずーっと風下に落下します。くそー。

 と、いうわけで、仲間のビーチパラソルからはるか彼方の風下、砂浜の果てまで、オレは流されてきたってわけだ。

「だめだ、セオリー通りの曲線で飛ばすには、最初に投げる方向に小山があって、軌道が高くなりすぎる。だから、上空の風に乗ってしまって、風下に飛ばされるんだ!」と独りごちて、三角ブーメランのそれそれの角を下向きにぐいぐいと曲げる。

 これで、軌道が低くなるのだ。

 どうだ! とりゃ! ぶんぶんぶん! 見れ! 低い軌道だ! 海面すれすれを

 ざぶーん! ぶくぶく!

 うわ、ちょっとまて、このブーメラン、水に浮かないのか?

 と、いうわけで、あわてて水に駆け込むわけですが、視線をそらしたら、ブーメランが水没した地点を見失ってしまうわけで、といっても、水没した地点は足が立たない程度の水深で、しかも、水中メガネが無いので、「顔出したカエル泳ぎで、彼方の一点を凝視したまま進む。目に海水が入っても涙が流れても、目をとじてはダメだ」状態。

 足が付かない状態で、水中メガネをせずに、海底に落ちてる赤い三角形のプラスチックを探すってのは、けっこうイヤーンな作業であると判明。水中メガネ必須だなぁ。

 5分ぐらいの捜索で、ブーメラン発見。甘くみてたら、結構「潜ると耳が痛くなる深さ」に沈んでいたのだった。


 ブーメランを回収して、焼けた砂浜をテクテクと歩いて戻る。

「モロさん、そのブーメラン、かしてもらって、いいすか?」と仲間。

 かしてやると、よろこんで投げる。風に流される。また投げる。また流される。風に流されたブーメランを追って、風下へと走っていった。ヤツも、砂浜がとぎれる果てまでブーメランを追って行くんだろうなぁ。

 とか、いいつつ、水は堪能したことにして、缶チューハイを飲む。うー、きくなぁ。

 ウクレレを取り出して、いつものごとく、お約束レパートリーだけをひとととり演奏する「上を向いて歩こう」「Yesterday」「いとしのエリー」「涙のリクエスト」。

 隣のパラソルに、若いオネーサン4人組がいたのだが、何の反応もなし。うーむ。

「わーすごい!」って反応がないのは当然として「何こいつ?」という反応もないまま、オネーサンたちは泳ぐべく、海中に消えてしまった(って溺れたわけじゃなくて)。

「わっはっは、ナンパには使えないじゃないか!」とボスに言われてしまう。うーむ、その通りすぎて反論できん。くそう。

 ふと見ると、松林の中にレジャーシートをひろげて日陰でくつろいでいるオトーサンが、ウクレレに熱い視線を注いでいる。

 うーむ、やっぱ、ウクレレって若い娘が「きゃーかわいー!」と言うより先に、オトーサン達の「オレも若大将になれるかも」願望に火をつけそうだなぁ。うーむ、ここで「君といつまでも」をさらっと弾けないのが、残念。修行が足りん。


 そのような訳で、14時半で切り上げて、宿に戻るわけだ。

「本日の風呂代はサービスだそうです」という幹事の台詞を合図に、風呂に向かうのである。

 が、朝から海水浴していた連中の皮膚は、もぉ完全に真っ赤になっていて、誰も身体をこすれない、誰も湯船につかれないという状況。もはや「何のための風呂?」という世界になってしまっているのだった。

 オレはプロテクト完璧な上に、本日は1時間ほどしか焼いてないので、なんともない。というか「ちょっと焼きが足らんかもしれん」という感じだ。

 しかし、去年も一昨年も、調子に乗って焼いて、旅行から帰ってから夜中に七転八倒の苦しみ(七転び八起き、ではない)を味わった経験からして「肌八分目ぐらいでちょうどよし」ということなのである。

 しかし、やっぱ、胸と腹が白い気がするのぉ?


 食堂は、クーラーが効いていて、涼しい。観光組の残党が、畳の上でくーくー居眠りをしている。居眠りええのぉ。居眠りは幸せだよ。

 昨日は、オレが無理矢理みんなにぬらせた「アロエローション」だが、本日は「くれ! おれにもクレ!」と、みな自主的にやってきて、塗りまくるのだった。

 というわけで、本日も、裸の上半身をぬらぬらさせた「まるでAV男優のような男達」が出現したのだった。いやーん。


(つぎは「おみやげ屋にGo!」だ。以下次号)

980803a[ IKI life / 壱岐旅行2日目(月) ]

【注意】この旅行記は事実を元にして脚色されたフィクションである。特に登場人物とその台詞は複数人物が融合・シャッフルされてできている。よって、実際の人物像とキャラクターが異なっている場合があることを了承の上で読んで頂きたい。また、時系列も一部話を円滑に進めるために入れ替えてある場合がある。


♪あたーらしー朝が来た、きぼーの朝ぁーだ。(別にラジオ体操をしたわけではない)

 そういうわけで、朝7時に同室のボスが起床。まだ眠たいオレの頭上にセットされたテレビで朝のニュースを観賞し始めたので、オレも問答無用で起床させられてしまう朝なのだった。

 仕事場では「寝る子も起こすボスのイビキ」という事になっているのだが、実はオレもかなりイビキがうるさいのだ。しかも、両親、特にオヤジが「キング・オブ・イビキ」な人間だったので、いままで「他人のイビキがうるさすぎて眠れなかった」という記憶はない。

 逆にボスがオレのイビキで起きるのではと危惧していたのだが、ボス曰く「君はイビキはかかないが、寝相が悪いね」とか。うむ、オレは左右にローリングして同室の人間に回転パンチを食らわせたりする上に、寝ている間に上に上に(頭方向に)どんどん移動したり、あるいは布団の中で時計回転をして、朝目が覚めると、枕と反対方向に頭があったりする「ナイス寝相」を誇っているのだ。

 まぁ、ボスとオレとの間には、ちゃぶ台が出しっぱなしになっていたので、ボスに「ローリングパンチ」を食らわさなかったようだが、一晩中ゴロゴロしていたらしい。うむ。

 まー旅行においての寝相・イビキ・歯ぎしり・寝言に関しては、「先に寝たモンが勝ち!」ということで。ふふふ、勝った。(いや、勝ち負けじゃなくて)。

 しかし、オレは酒が入ると、苦しいのか眠りが浅くなって、ゴロゴロがひどくなる傾向にあるなぁ。うーむ。


 と、いうわけで、昨夜は酒飲むのも早々に22時に寝てしまったボスは、7時起きで、8時半の朝食が死ぬほど待ち遠しいらしいけれども、昨夜2時半まで「名探偵登場! 鍵をさがせ!」をやっていたオレとしては、もぉ、頭痛がガンガン的に眠い。

 けど、ぐーぐー寝ていると、ボスがなんか言いたげなので、昨夜だけで78枚撮影してあと20枚しかメモリーが空いてないQV10AをThinkPadに接続してQV-LINKを起動して、中身をThinkPadに転送することにする。

 これが、なんか、信じられないぐらい時間がかかる。「うーん、転送が遅いなぁ」とか言いつつ「別に眠いから寝ているわけじゃなくて、パソコンの転送に時間がかかるので、暇だから居眠りしてるんですよー」ということにして、ひたすら寝る。

 QV10Aの中のメモリは、2MBなのであるが、ThinkPadのHDの空きが10MBで、スワップ領域がとれないのか、なんかものすごく不安定なので、やばい。いざとなったら、FDドライブも持ってきたので、フロッピをフォーマットして、転送すればいいのであるが、面倒だからなぁ。うーむ、HDは空けて持ち歩こうね>オレ。


 と、まだ転送が終わりきらない8時10分に、旅行幹事が「もぉ朝飯くえるそうですよー」とやってきたので、ボスが「よし、モロ君、飯だ!」と言うので、転送ほったらかして飯食いに行く。

 まぁ、転送中みてなくちゃいけないわけじゃないしね。

 朝飯は、いわゆる「旅館の朝食」だった。御飯と味噌汁と切り身の焼き魚と梅干しとノリと卵。

 ひょっとして「昨日のタイのダシの味噌汁」かと期待したが、普通の味噌汁だったみたいだ。ちょっと残念。

 ちょっと残念といいながら、御飯を朝から2杯食べるのだった。


 朝風呂。極楽極楽。


 9時、玄関前に集合。

 快晴。カーッ! とはいえ「壱岐・対馬地方は時々雷雨」という予報なので、雨具はリュックに忍ばせる。ただ、なんというか「福岡晴れ、壱岐対馬地方、時々雷雨」と言われても、福岡・壱岐間と壱岐・対馬間は、同じぐらい離れているので「壱岐対馬」とくくられてもなぁ。注意報を見ると、対馬には、大雨洪水暴風波浪雷注意報が出て、画面一杯なのに、壱岐には、何も出てない。うーむ。

 とはいえ、まぁ、とりあえず「快晴カーッ!」だし、自動車移動だから、別に雨ふってもいいんだけど。

 と、いうわけで、本日の予定は「午前中:観光。午後:海水浴」である。

 ってわけで、上はタンクトップに長袖シャツ、下は短パン、足はスニーカー、帽子着用。みな足はサンダルなのだが、観光時はずんずん歩いたり、足場悪い場所を歩いたりする可能性が大なので、スニーカーを選択してみた。長袖シャツは、まぁ、室内のクーラー直風対策と、日差しで死にそうになった時のためね。

 荷物は、リュックに、傘とカッパ(敷物兼用)、薬セット、双眼鏡、デジカメ、そしてウクレレ。

 自動車で移動中、ウクレレをテロテロ爪弾くオレ。


 地図を自前で用意できなかったので、今回は他人様がおつくりになった壱岐観光地図をみながら読んでいただきたい。わはは。

 って、このページみたら、オレ何も書かなくてもいいんだけどね。


 で、宿は島の東側にある壱岐空港の近くにあるので、地図の南端であるフェリー乗り場の郷ノ浦に戻る。


 で、郷ノ浦で観光するものといえば、「塞神社」だ!

塞神社の鳥居
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【塞神社の鳥居】
(CASIO QV10A)

 この「塞神社」がどうしたかというと、えーと、その、奉ってあるものがなんだかよくわからないのだが、いや、みればわかるのだが。

【こんなもんが、でーんと奉ってあるわけね】

 って画像見られない方には意味不明になりそうだから、書いちゃうと、「でかい木造男性器」が奉ってあるわけだ。うーん、リンガム。高さは2mぐらいでしょうか。

 なんというか、これぐらい立派だと、もはや比べる気力もないわけで「やーご立派で。わはははは」というか。いやはや。

 いやー子孫繁栄。


 次は、島の北西の角にある「猿岩」を目指す。

 猿岩ってのは、まぁ、「横向いた猿にみえる大岩」ってやつだわ。

猿岩
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【猿岩】
(CASIO QV10A)

 たしかに、猿岩だよなぁ。猿に見えるよなぁ。

 こういうときに、仲間内に猿顔のヤツがいると「ほら、並べ並べ。よっしゃ親子の図」とかいうお約束ができるのだが、今回は、あまり「自他とも認める猿顔のヤツ」がいなかったので、ちょっと残念。

 で、この猿岩、この展望台から左側、つまり、猿の顔の正面になるあたりに草原が広がっていて、散歩道になっている。そこで、まぁ、猿顔の正面を拝みに、てくてくと散歩する。

 うーん、あたりまえだが「正面に回るとちっとも猿にみえない」ものだな。しかも、なんか「うーん、なんか、目のあたりといい、口元といい、なんか加工した気配を感じるなぁ」と思ってしまうのだった。猿岩は海中から突き出しているとはいっても、崖と地続きで、歩いてわたれなくもないので、きっと、誰かが加工したんだろうなぁと。

 しかし、「地続き」とはいっても、かなり強烈な崖になっていて、「1万円やるから登ってこい」と言われても、ちょっと辞退したくなるぐらいだよなぁ。削った人がいたら、偉い。

 で、青い空・紺碧の海を背景に、記念撮影大会になってしまうのだった。オレもデジカメで20枚ぐらい撮影する。しかし、QV10Aは、この炎天下では明るすぎて顔が真っ黒になるは、空は緑色になるは、なかなか「たまらん画像」になるのだった。まぁ、そこが味ではあるが。


 さらに、ここには「東洋一の黒崎砲台跡」というのがあって、第二次世界大戦中に海峡を睨んで建造された「東洋一の規模を誇る砲台」の跡地らしいのだが「実戦では一度も使われなかった」上に「戦後、すぐ解体した」ので、大砲も何も残ってなくて、空に向かってポカッと口をあけた(崩れかけた)洞窟があるだけなのだった。

 それにやっぱ「第二次世界大戦中の基地跡」って、やっぱ、なんか不吉な雰囲気するんだよなぁ。

 まぁ、実戦経験がない基地なら不吉になりようがないわけだし、鉄人28号が建造されたのって、こんな場所かもなぁ、と思うと感慨もひとしおなんだけどね。(なんか間違ってる気もするが)。

 あの天井の穴から上昇するんだろうなぁ、とかさ。「ゆけ鉄人!」「ま”」とかさ。って、これはジャイアントロボか。

 しかし案内板の「戦艦大和の大砲まるごとはめこんだみたな砲台の分解図」みると、燃えるなぁ。発射音は「ばぎ、ぎゅるるるるるるる」とかいって、青い光がねじれながら飛ぶんだろうなぁとか。って、それは「宇宙戦艦ヤマト」の主砲だろうが>オレ。


 さて、次は、島の反対側、島の東側に突き出した岬「左京鼻」に到着。

 ここは、水中から奇岩が突き出してて、草原が広がっていて、広々とした風景を楽しむ所。

「左京鼻」の名前の由来は、奇岩が水中から出ているので「石橋(しゃっきょう)」+「鼻(岬のこと)」という説と、雨乞いで雨を呼んだ陰陽師「藤原左京」にちなむという説があるらしい。

 江戸時代、日照りが続いて島が餓死寸前になった時に、なんとか和尚と藤原左京が何日も雨乞いしたけど雨が降らずに、和尚は周りに積ませた藁に点火させて燃えながら祈り続け、ついには藤原左京が崖から身を投じようとした瞬間、豪雨が降って壱岐の島は潤ったそうな。

 と、いう解説を読むと「雨降ったのは、藤原左京が崖から飛び降りようとした神通力じゃなくて、なんとか和尚の命がけの祈祷のせいでは?」という気がしてしまうのだが。命を駆けて雨を降らせた和尚の名前は岬につかずに、死に損なった左京の名前が岬に付くのは、どうも釈然としないなぁ。

 と、首を捻っていると「そりゃ、和尚は焼身自殺しても雨降らなかったんだよ。で左京は、投身自殺のフリだけで雨降らせたんだよ。成功報酬として左京の名前が残ったんだよ」という意見が。うーむ。

 やっぱ、「なんだかんだ言って、生き残った左京が『オレのおかげだよね』と言い続ければ、左京の手柄になるよね。宣伝ぢうやう」ってことなんだろうなぁ、と思うのだった。

 まぁ、科学的に考えれば、焼身自殺しようが投身自殺しようが雨が降ることになんの関係もないわけだから、どうでもいいんだけどね。(って、火を焚くこと自体にはある程度、科学的根拠はあるだろう。それと命を断つことと雨が降ることとの間に「当時の人々が関係があると思っていた」ことが重要なのであって、科学的に関係があるかどうかは、この場合、あまり関係ないのだが)。

 けど、当時の人にしてみれば「和尚の命で雨が降った」と思わなかったんだろうか? うーむ。まぁ、和尚の死と左京の飛び降り未遂と雨のタイムラグがどれぐらいかによるか。


 と、いうことを考えながら、ここでも「崖ぷちに立って、青い空・紺碧の海を背景に写真を撮ろう!」キャンペーンが勃発して、写真撮りまくり。

 けど、けっこう崖っぷちで立ってると結構怖いので、交替で「立ってる人の足を押さえる役」をするのだった。

 けど、体勢があぶない時に、足を押さえられたら、いざバランス崩れた時に、如何ともしがたくて、そのまま崖下に落ちるより他無しになるような気もする。

 どうでもいいが、みんな、Vサインするのはやめろ! いや、してもいいのかもだが、オレはあまり好きじゃ無いぞ! いい年したオッサンがVサインはよせ!

 と、いうわけで、左京鼻で撮影した写真は「Vサインした仲間達」ばっかりで、使えるものがないなぁ。わははは。

 しょうがないから、海と空と入道雲でもみてもらうかな。実際、左京鼻で見るべき物は、海と空と入道雲と草原だからね。あーけど、実際の色は出てないなぁ。想像力補正ぢうやう。妄想力ぢうやう。

左京鼻のあずまや
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【左京鼻のあずまや】
(CASIO QV10A)

海と空と入道雲
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【海と空と入道雲】
(CASIO QV10A)


 さぁ、昼飯だ! うに丼だ!

 はっきり言って、ものすごくお腹がすいてるんだオレ達は! すでに1時半を回っている。腹が減った! ウニ! ウニ丼!

 そういうわけで、左京鼻の付け根にある、「うにめし」で有名な食堂「はらほげ食堂」に車で乗り付けるんだ!

食堂はらほげ
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【食堂はらほげ】
(CASIO QV10A)

「は、はらほげ、って何?」と思った人は、あとで解説するから、とりあえず、オレにウニ丼を食わせれ!

 ところが、オレらが到着したと同時に、予約していた団体さん約 50名が到着、もぉお店は完全に団体さん対策で身動きとれない状態。

 で、オレらは生ウニ丼がメインの「生ウニ定食」を頼むのだが、実はこのお店の名物は「うにめし」がメインの「うにめし定食」なのだ。

「うにめし」というのは、ウニを御飯に混入して炊きあげた、炊き込みウニ御飯なのだ。で、「生ウニ丼」といえば、その名の通り「白御飯の上にウニを乗せた丼」なのだ。

 値段も違って、「うにめし」なら800円だが、「生うに丼」だと1500円とか、そういう感じだ。

 たぶん、作るのも、あらかじめ炊いてある「うにめし」を丼につげばいい「うにめし定食」と違って、生ウニを並べなくてはならないらしくて、どうも時間も手間暇もかかるらしい。(ひょっとしたら、ウニを割るところから始まるかも知れない)。

 で、注文をとりにきたお店の人が「うにめしが、うちの名物なんですけども」「生ウニ丼、時間かかりますけど」「うにめしなら、すぐなんですけれども」と言うのだが、我々には「ウニは生ウニに限る」というコンセンサスができあがっていて、誰も「じゃ、うにめしでいいや」という人間はいないのだった。

 待つこと30分!

生うに定食
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【生うに定食(クリックするとウニ拡大図)】
(CASIO QV10A)

 う、ううううう! うまい! うにって旨いなぁ。どうしてこんなにおいしいんだろう。うにだからかなぁ。うにだもんなぁ。うにうにうにうに。

(けど、うにのアップってけっこうグロいかもなぁ。お食事中の方どうもすみませんでした、って、ウニって食い物なのだが)

 はぁはぁはぁはぁ。堪能した。

 さて、この「生うに定食」は、これで1,900円するわけなのであるが、これを見て「ウニがあまり載ってないんじゃ?」と思った人も多いだろう。うむ、たしかに「うに丼」というわりには、あまり載ってないとオレも思う。「1,900円もだして、これだけ?」って意見も理解できる。実際に「御飯がみえなくなるぐらいウニのせろよ」とか「丼からあふれるぐらいウニがのってるかと思った」ってのが仲間内の意見の大半なのであるが、まぁ、端的に言えば「いくら生産地だからといっても、壱岐でもウニは高いんだ!」ってことよ。ウニ丼って、御飯にウニが載ってるだけの食べ物だから、ウニの量ってのはリニアに値段に跳ね返ってくるわけよ。「御飯がみえないぐらい、丼からあふれるぐらいウニが載ってるウニ丼」ってのは、簡単に実現できるけど、たぶん、値段は3,000円を超えるだろう。そういうのが食いたい人は、おみやげ屋の「特価! 生うに!」を2瓶ぐらいかって、自分で白御飯にかけて食べると吉。

 つーか、昔来たときに、かなりガッカリしきっていたので「おぉ昔がっかりしたほど悲しい食い物じゃないなぁ」というのが、オレ的感動の理由だな。

 まぁ、ウニあまり好きじゃない人にしてみれば、コストパフォーマンスが悪い食い物だろうし、ウニ嫌いな人にしてみれば、悪夢だろう。実際、ウニ食えない幹事は、ひとりでカツ丼食っていたが。しかし、壱岐にきて魚介類が食えなくちゃ、ろくなもん食えないよなぁ。壱岐の名物って、ウニとイカなんだから。

 けど、ウニあまり好きじゃないからって「ウニ丼って、納豆ご飯そっくりの味だ」ってのは、やめてほしいなぁ。「言われてみればそうかもしれない」って思ってしまうから、余計にさ。わはは。

 しかし「一個のウニから、これぐらい(一人分のご飯にのってるぐらい)とれるの?」って意見にはまいったなぁ。一個のイガイガから一粒(って数えるのか?)しかとれないだろうに。(二個取れるのかもしれんが)。どうも、多くの仲間は、「ウニのイガイガ割ったら、中にはオレンジ色のウニがぎっしりつまっている」と思っていたらしい。そんな、スイカじゃあるまいし。あーでも、産卵時期には卵巣が肥大化して、中身が卵巣だらけに見える、って可能性はあるかもなぁ。何せ相手は棘皮動物(きょくひどうぶつ)なんだから、何でもありだよなぁ。(だんだん自信がなくなってきたらしい)。

<980811に追記>

 ネットの彼方から「私の記憶が確かならば〜ウニのひとつのイガイガからは、最低5粒のウニが出てきたような」と。

 なるなる「ひとつのイガイガからは1粒か2粒しかとれない」という私の主張は、間違いだったらしい。すまん。

 とはいえ「イガイガ内部が、だいたいオレンジ色の卵巣でいっぱいになってたりは、しない」ってのは、5粒入っていてもまだ成立してると思うのだが。うーん、しかし、小振りのウニ割って、なかから5粒出てきたら、割と「ぎっしり」かもしれないなぁ。かなり怪しげな話になってきたなぁ。

 うーむ、魚屋に行って、ちょっとウニ買ってきて、割ってみるかなぁ?

<980811に追記ここまで>

 はーしかし、ウニにもいろいろ食べ方あるけど、「生ウニが一番うまい!」と思うな。うむ。


 さて、腹も一杯になったところで、あらためて「はらほげって何?」という質問に答えよう。

「はらほげ食堂」の「はらほげ」というのは、すぐ近くにある観光名所「はらほげ地蔵」の「はげほげ」なのだ!

「はらほげ地蔵」案内看板
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【「はらほげ地蔵」案内看板】
(CASIO QV10A)

 って「はらほげ地蔵って何?」って言われそうで、ぜんぜん、答になってないなぁ。わはははは。「はらほげ地蔵」ってのは「はらがほげた地蔵」のことだ! って、九州人じゃないと理解できないじゃないか!

「ほげる」ってのは九州の方言で「(穴が)あく」ということ。「ほがす」は「(穴を)あける」ということ。

 と、いうわけで、「はらほげ地蔵」は「はらがほげた地蔵」すなわち「お腹に穴があいている地蔵」のことなのだった。

はらほげ地蔵
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【はらほげ地蔵(クリックで拡大)】
(CASIO QV10A)

 と、いうわけで、「はらほげ地蔵」というのは、海の中(の台座)に立っているお地蔵さんなのだった。海女さんの守り神とも、海上安全のお地蔵様とも言われているけれども、その由来は謎らしい。

 言ったときは干潮時だったので、お地蔵さんは、台座まで海上に出ていたけれども、満潮時には水没して、顔だけが海上にでるらしい。

 で「はらほげ」なのであるが、そんな巨大な穴があいてるわけじゃなくて、ちゃんちゃんこの裏の、胸のあたりに小さな窪みがある程度。なんでも昔「水没した時に、お供え物を置くために、胸のあたりに窪みを作った」のだとか。港を整備するときにここに移転して、台座も新しくその時に作った物らしいので、昔どういう姿だったのかは謎だけれども、水没してしまうお地蔵様というのも、なかなかすごい。なんか、パワーありそうだよな。

 今回は、昼間、干潮時に来たので、別に「あぁ、お地蔵さまね」なのだが、これが真夜中に肝試し的にやってきて、懐中電灯で水中から顔だけ出してるお地蔵さんの群を見ると、なんか、すげー怖い。(前来たときは、そうやって見た)。傘地蔵じゃないけど「あぁ、たぶん、昔、水中からお地蔵さんたちが、ずんずんと歩いて上陸してきたのを目撃した人々が恐れて、お地蔵さんらを浜辺に埋めて、動けなくしたんだろうなぁ」とかさ。ムーとかアトランティスから来たんだよ、きっと。「アトランティスから来た地蔵」

 いや、海辺にお地蔵さん、ずらっと並べてしまう神経って、モアイを並べてしまうイースター島の人々と同じ発想したんだと思うなぁ。


 と、ひきあげようとしていると、らぶらぶカップルがやってきて「すみませんシャッター押してもらえますかー?」ときたもんだ。

 気安く引き受けたら、このカップル、お地蔵さんの間に等間隔ではいって「偽地蔵」な写真を撮ってくれ、と、ポーズを取り始めた。

 けっこう、マジにポーズとるので、こっちもつい本気になってフレーミングにこりだしたので、あやうく水没するところだったりして「ちょっと右、もうちょっと左、いいねぇ、もうちょっと顔は上むいて、いいねぇ、笑って笑って」とか。あやうく「じゃ、脱いでみようか」と言いそうに......なるかよ。

「足滑らして、あやうく水没しそうになった」ってのは脚色なんだけども「あやうく置いて行かれるところだった」ってのはかなり真実だ。危ない危ない。


 と、いうわけで、宿に戻ったのが2時半ぐらいかな?

 海水浴装備に変身して、すぐさま、浜辺へ。

 昨日は濁って底が見えなかった海水が、今日は、ぜんぜん違うレベルに澄んでいる。水中の足ヒレは当然として、2メートル半ぐらいの海底に魚が泳いでいるのがはっきり見える。

 どうも、昨日の海水は、一昨日の夜降った豪雨で濁っていた結果らしい。

 ええのぉ、これは、なんかわざわざ来た甲斐がある海だな。

 つーわけで、泳いだり、ビーチバレーしたり、フリスビー投げたりして、日が暮れるまで遊んだのだった。

 ビーチバレーは、砂浜の斜面が15度ぐらい傾いているのに無理矢理ネットを張ったので、ネット高い方に立っていると、目の前のネットが頭のちょっと上ぐらいで、反対側は胸ぐらいの高さ。

 もぉアタックし放題というか。しかも、斜面だから、みんな上を見ながら動いていると、知らず知らず重力にひかれてコートの反対側の低い方に集まってしまって、自動的に高い方がガラガラになるのだった。で、あるからして、アタッカーは、気が付くと真ん中まで下がってきているので、自分のポジションにトスがあがると、全力で砂浜の斜面を駆け上がって、自分のポジションをやりすごして、高度を取ってから、今度は振り向いて斜面を駆け下りてアタックするのだった。成功すれば、すごい威力だけど、空振りすると、なんか砂浜に墜落というか、ヘタしたら、ヒモひっかけて、ネットが大崩壊して、みんなから袋叩きというか。

 砂浜だから、ネットの支柱を支えているヒモはペグで打ち込んでいるんだけど、すぐ抜ける。しかも、ペグにヒモを堅結びして、一杯に引っ張ったところで打ち込んでいるので、すぐゆるむし、ゆるんだら、一度、ペグを抜いて打ち直しになる。

 こういう場合は、あとでヒモの長さを調節できるように「自在」(「く」の字に曲がった2つ穴や3つ穴のプラスチック製品)がついてるのがお約束なんだけど、ない。こういう場合には、ヒモの結び目が移動できる「自在結び」するのがお約束な訳だからして、ネット支柱を誰かが倒すたんびに、素早くペグの所まで走って、こそこそと結び目を「自在結び」に変更。

「おぉ! 結び目が移動する! さすがアウトドアマニア!」と賞賛される。ふふふ。みたかオレの知識! けど、これしか知らないんだロープワーク。わははははは。


 フリスビー、実は、まっすぐ飛ばすのはけっこう得意なのだが、まっすぐ飛ぶと、逆に、カーブさせて相手に届くようにしたくなるのが世の常。というわけで、そういうことをしてると、ついにはまっすぐも飛ばなくなるのだった。うぐー。

 しかし「NASAで開発された航空力学の粋を尽くした柔らかいフライングディスク『エアロビー・ジェルディスク』」というグニャグニャしたやつを持ってきたのだが、やっぱいばるだけあって、ぐにゃぐにゃしてるくせに、よく飛ぶ。しかも、柔らかいから、投げるときに手にやさしい。こりゃいいや。しかし確かによく飛ぶし「うまく投げれば100メートル飛ぶ」と書いてある。しかし、どうやったらこれが100メートルも飛ぶんだ? ものすごい腕力が必用な気がするが、完璧に水平に高速回転を与えると、腕力なしに飛ぶのかの?


 ウクレレをちょっと弾く。今日はお子様ではなくて、オッサンがこっそり反応していた。やっぱ、若者よりも「第二次ウクレレブーム」の時に「昔取った杵柄」な人々の方が、反応が素早い。


 で泳ぐのやめたので、アルコール解禁して、ジンハイレモンとやらをあけて飲み始めたのであるが、運動した直後、汗かきまくった上に、空腹な状態で飲み始めたので、一気に限界を超える。おいおい。

 いつものチュウハイ「4%」のつもりだったのだが「6%」だったのが誤算だったらしくて「ほら、帰るから、さっさと空けろ」と言われて一気にグーッと飲んだら、気分が悪くなった。

 まぁ、一時的に限界を超えただけなので、10分ぐらい横になってれば回復するのはわかっていたのだが「ほら、帰るぞ、砂おとしてこいよ」とか言われたので、頭痛ガンガン状態で海に向かって走り出すと、足はフラフラつーか頭がぐらぐらというか、「C1000タケダ」の「元気くれよー」のCMの鈴木蘭々状態で、両手をあげて「わぁああああ」とか言いながら海に飛び込んで転げ回っていたら「いかん、モロが狂った」と仲間が救援に来そうになったので、あわてて「いやこれはふざけてるだけだよ。別に大丈夫だよ。ほらほら」と正気なことを示さねばならないのだった。(って、今書いててあらためて気付いたが、何のことはない、単に「酔っぱらっていた」だけなのだな、オレは)。


 と、いうわけで、宿に戻って風呂。

 泳ぐときは85%反射の日焼け止めを塗りまくっていたので(海が汚れるなぁすまん)あまり焼けてないのだが、どうも昼間、観光した時に油断して日焼け止め塗ってなかった部分が焼けたらしい。

 とはいえ、去年、一昨年とか死ぬほど痛かったのだが、今回は、肩も首の後ろも、シャワー浴びても湯船につかっても特に痛くはない。あ、右腕の肘のあたりだけ、痛い。やられた。

 う、みんな湯船につかった瞬間に「ぎゃー」とか「うげー」とか叫んでいる。そうかー、みんなウカツだったんだねぇ。

 で、昨日はオレが「塗れ塗るんだ!」と無理矢理塗らして、しかも「けっこうイヤーン」と嫌がっていたみんなも「アロエジェルくらさい」ともらいにくるのだった。


 で、けっきょくバーベキューは、民宿の庭ですることになった。

 しかも、民宿のおっちゃんが火起こしから調理までしてくれて、俺達は、食べるだけでいいらしい。

 まぁ、「バーベキュウは火起こしが一番楽しい」というオレにしてみれば、お楽しみを取られてしまったようなもんなのだが、まぁ「これもありか」ということで、先ほどの浜辺のアルコールがまだ抜けないいい気分で、民宿の庭の椅子に座って、ウクレレをぽろんぽろんと弾くのだった。

 と、10分だかポロンポロンと弾いていると、火がうまく起こったらしいオッチャンが顔をあげて話しかけてきた。

「あんた、その道何年のウクレレ弾きかね?」と言われたので「あ、いや、始めて一ヶ月の初心者です」とあわてて答えると「へー、その割には、えらく堂に入っとるじゃないか」と言われてしまう。「いや、ウクレレ歴は一ヶ月の初心者ですが、『一見うまそうにみせる』のは得意なんです」と言うと、ガッハッハと笑われてしまった。

「えらいまた、楽しそうじゃのー」と言われたので「ウクレレの極意は気楽なところです。『お気楽』だから『極楽』となるわけです。『お気楽』と『極楽』が『音楽』になるわけです。すなわち「ウクレレの三楽』です」とか口から出任せ(ほんとにデマカセだ)を言うと「そりゃ、楽しそうだ。がっはっは」と笑われてしまうのだった。

 んで、ふと気付くと、庭には誰もいなくて、あたりは薄暗くなってて、おき火はチロチロと燃えてるのだった。なんか、ウクレレ談義の直後、居眠りモードに入って30分か40分ぐらい寝てしまっていたらしい。

 部屋に戻ると「あんまり気持ちよさそうに居眠りしてたから、起こさなかったよーん」と言われてしまう。うむ、確かに気持ちよかったよ。


 で、バーベキュウが始まったのだが、民宿のオッチャン、手際が良すぎて、あっという間に肉が焼けて、野菜が焼けて、焼きそばが出来て、トウモロコシが焼けて。

と、いうわけで、バーベキュウ開始30分で、全て食べ終わり、飲み終わり、腹いっぱいで身動きとれず後かたづけも無し。おわり。おしまい。

 非常に快適であったが、ここまで快適だと「手際が良すぎるのも問題だなぁ」と思ってしまう事よ。


 花火をする。

 宿から徒歩5分程の砂浜(海水浴をした所ではない)まで移動して、花火をする。

 この浜辺には海の家というか「浜辺のバー」があって、店の名前は「ハワイ」。夜の10時になっても、青いネオンライトというか、ブラックライトというかを点灯して「夏のちょっと危ない夜」を演出しているのだった。

 そのおしゃれな夏の夜を理解してないのか、「ハワイじゃーん、ウクレレじゃーん」とか、看板の隣でウクレレ持って撮影会をしてしまうオレ。バーのおにーちゃんは不満顔。すまん。

 花火ぐらいの明るさがあれば、DC2Lなら撮影可能なので、暗闇カメラマンとなって、撮影しまくる。

 花火してない人々にはフラッシュを使って記念撮影。

 オレは個人的に、線香花火ぐらいでいいや。

 線香花火は、竹ヒゴの先に火薬がついてるやつでも、こよりに火薬が巻いてあるやつでも、どちらでもいいのだが、オレは火球が丸まった直後に出る「毛細血管みたいに、細かい網の目に広がる火花」が好きだ。すぐに、棒状というかタダの小さな火の玉になってしまうからねぇ。

 今回は、手持ち花火の着火用の火種として、ガスバーナーを使ってみた。ガスバーナーを花火着火用にするのは、ちょっと問題あるのかもなぁという気もしないでもないが、火が安定していて、ロウソクよりもはるかに使いやすかった。

 虫よけスプレーも持っていったのであるが、珍しいことにあまり蚊がよってこなかった。

 マグライトは真っ暗な浜辺では、とりあえず役にたった「あ、サングラス落とした」とか「打ち上げ花火の導火線が千切れた!」とかいう時に。

 バーから漏れた光で、とりあえず手元がうすらぼんやり見えるぐらいの明るさだったので、ガスランタンの出番は無し。

花火
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【花火】
(RICOH DC2L)


「夏の夜は、ザ・キモダメシ!」

 つーわけで、部屋に引き上げて、ダラダラと飲んでるいると、誰彼となく言い出す「ざ・きもだめし」なのだった!

 オレはけっこう怪談が苦手で、「勇気を試す」的なキモダメシも苦手なのだが、ほろ酔いであるからして「夜のドライブ」と思えば、嫌いでもない。

 なお「怪談が苦手」というのは「聞いてると怖いから苦手」というのと「つい『非科学的だなぁ』と考えてしまって理性は白けているのに、実は怖くてたまらんので苦手」というのと「オレが怪談したら、やたら説明っぽくなって怖くなくて苦手」っていうトリプル苦手なのだが。

 と、いうわけで、ワゴン車に乗って8人で壱岐の北東「男岳(おんたけ)神社・石猿群」を見に行くのだった。

 男岳という山の頂上にある神社に、たくさんの石の猿が奉納されている、という神社で、昼間行くと「あぁ、猿の置物が並べていある、景色のいい、ちょっと山道が険しい神社」なのであるが、夜中いくと、ちょっと、怖い。

 で、とりあえず駐車場まで到着したのだが、もー「まっくら」。何も見えない。

 しかも、懐中電灯持ってきてるのが、オレ一人。もー、みんなさー。キモダメシとはいっても、本当に真っ暗だったら、怖い以前に、危なくて一歩も動けないじゃんかー。

 しかも、8人だと、先頭が前を照らすと、後ろに続いてる連中は自分の足下が見えずに危なくて、後ろの人が照らすと、前の連中は自分の足下が見えなくて、危ない。

 しかも、参道は幅3メートルぐらいで、左側は崖。すげー「怖い」。すげー怖いんだけど、怖さの意味が違うなぁ。

 というわけで、取り出しましたる「しょーがないなぁ、のび太くんはー ガスランタン! キカキキー!(大山のぶ代の声で)」けど、このSnowPeakのガスランタンは、すげーコンパクトだけど、地面に置くように出来てて手に持ってぶらさげるようにはできてないので、持ち歩けない。しかも、やっぱ足下悪いところで火器つかうと危ないので、却下。うむ、オレもちょっと歩くときには使えないと思う。(以前、「歩きながら使うな」と書いてあったにもかかわらず、ぶらさげ金具つきのSouthFieldの200ルクスのランタンをぶらさげて夜道を歩いたら、とてつもなく明るくて、ものすごく快適だったんだけどね。懐中電灯だと照らした部分しか見えないけど、ランタンだと周りがぼんやりだけど全部見えるから)

「ほんとうにしょうがないなぁ、のび太くんは、ライトスティックぅ! キカキキー!」

 と、いうわけで、もう一個の秘密道具「ライトスティック」を取り出すのだった。これは、薬品の入ったプラスチックの棒で、ポキンと折ると化学反応で光る棒なのだった。まぁ、コンサートのペンライトの代用品として最近は有名だし、縁日で「光る腕輪」としてお子様をだまくらかすのに使われているので、みなさんも「あ、あれか」と思うのでは? 釣り具屋やアウトドア屋で300円ぐらいかな。

 こいつの良いところは、完全密閉だから、酸欠になったりしないし、水中に落としても、水中で発光し続けるし、熱も出さないので安全。しかも、(若干明るさは落ちるけど)12時間光り続けるので、電池切れ的な心配がない。夜明けまで光り続けるのだ。

 ところが、こいつは、暗闇でその本体はえらくまぶしいのだが、その光が遠くまで届かないので、これを取り出すと「棒はものすごくまぶしいのに、まわりは照らさない。しかも、棒のまぶしさのせいで、ますますまわりが見えない」という最悪の悪循環なのだった。

 なんか「夜道で襲撃してください、といわんばかり」というか、標的にしかなりようがないのでは、と思ってしまうのだった。

 しかも、黄色のつもりが、何故か青だったので、青白い光を見つめていると、だんだん頭が痛くなってきたりして。

 やっぱ、マグライト、ぢうやうだなぁ。

 とはいえ、このライトスティックは、一度、真夜中に部屋の電気を全部消して、この棒の光だけで、荷造りや靴ひも結びが可能なことを確認していたので(いや、買ったときについ嬉しくて、実験という名目で一本使ってしまったのだ)少なくとも自分から半径2メートルいないの物体は見えるはずなのだ。

 と、いうわけで、ちょっと考えて、帽子の中に包み込んで、こっち側の光を遮蔽してみた。「あ、快適」。

 ちゃんと、見えるじゃん。これいいなぁ。しかも、あんまり強烈な光でもないので、目が暗闇に慣れたままだから、星とか夜景とかも見えるし。


 と、いうわけで、テクテク歩いているうちに、神社に到着しました。前回の旅行で来たときは、真夜中なのに、オッサンたちが宴会してて、別の意味で不気味だったのだけれども、今回は誰もいない。

 にもかかわらず、「話し声がする」「男女二人の会話が聞こえる」「女のあえぎ声が」とか言い出すヤツがいる。

 昼間くると、単なる「造形がへぼい猿の置物」な石猿群も、夜中、マグライトの光に浮かび上がると、何か言いたげで怖い。

 と、いうわけで、記念撮影だけして帰るのだった。暗さに強いDC2Lを持ってきたのだが、さすがに、マグライトの光だけで記念撮影ができるほどではないので、フラッシュ使ってみた。

 なんか、オレは全ての光源を一手に握っているな。

 帰り道は、来たときとは違う、林の中を貫通している参道を戻る。こっちの方が近いのだが、林の中で月の光も届かず、真っ暗度が高い。

 なんか、螢が光っていて、いい感じなのだが「あ、螢だ」といきなりライトを消すので、山道でこける人間が続出。あぶないじゃないか。(オレは、ライトスティックを私有してたから平気だったけど)。

 しかし、蜘蛛の巣は見えないので、たくさん、口に入りました。ぐえ。


 と、駐車場で車に乗ったら、遠くからヘッドライトが近づいてきたので、とりあえずエンジンを切って全員、車内に伏せてみました。

 道に迷った車らしくて、駐車場ですぐにUターンして去っていく風情だったのだけれども「はて、このワゴン車はなんだろう?」という風にスピードを落として、こっちを覗いてきたので、いきなりライトつけたら、なんか、「ものすごくビックリした顔」してた。わはははは。

 いや、わはははは、じゃなくて、すげー悪趣味だったな。すまん。


 というわけで、帰りの車内では「ボクの犬鳴峠体験」とかいう定番ネタが出てきて、怖いのだった。いやーん、やめて。

(犬鳴峠ってのは福岡の有名な定番怪奇スポット)


 と宿に戻ったら、二階に泊まっている大学生軍団が、悪魔のような騒ぎっぷりで、唖然としてしまった。

 一階の我々の部屋の天井はドスンドスンするし、階段はドタドタ上り下りするし、いや「ドタドタ登って、ズドドドドと転げ落ちる」のか。

 見間違いかもしれないが、二階の窓から外に吐いてたし。

 トイレはゲロの海だし。

 通常なら怒るところかもしれないが、オレもたいがい脳が麻痺してたので「大学生ってバカで元気あっていいねぇ。けけけ」ぐらいで、あまり何とも思わなかった。

 部屋に戻ると、すでに寝ていたらしかったボスが「このドスンドスンいうのは何だ!」と怒気を含んだ寝ぼけ声でオレに何か命令したい口調なんだけども、「黙らせてこい」とか言われたら大変なんで「あんまり気になりませんけども」とか言って、さっさとThinkPadもって逃げ出すのだった。

 ところが、緑電話が一カ所だけあるロビーのソファーで大学生グループが人生と恋愛について熱く語り合いながら、さりげなくちちくりあっていらっしゃるのだった。

 うらやましいのー。

 しょうがないので、風呂にいってリラックスするのだった。ふー。(あ、ThinkPadは一度戻って置いてきたのね。湯船モバイルする勇気はない)。

 再びロビーに行くと、人数は減っていたが、まだ熱い語らいが続いていたのだった。他人の目は気になったのだが、向こうも勝手気ままやってるので、こっちも勝手にさせてもらうとして、あいてるソファーに座ってかちゃかちゃとタイピングしてみたりする。「薄暗いソファに座って、一心不乱にタイプする男の顔が、液晶の照り返しで浮かび上がる」っていう光景が不気味だったらしく、大学生の会話がとまって、なんか、みんな固まる。

 調子に乗って、カプラ取り出して「慣れた手つきで」受話器をしばりつけて、通信を始める。

 大学生がひそひそ話をしたあと、こそーっと逃げ出した。

 くくく、勝ったな。

 と、通りがかった仕事場仲間が「うわぁああ! モロさんだったんですか。びびりましたよ、誰もいないかと思ってたソファーの上に、なんかボーっと青白く顔が浮かんでて」とか叫んだ所を見ると、そうとう不気味な雰囲気を醸し出していたらしいな。うーむ。


 メール落として部屋に戻ると、ボスが耳に枕を押しつけて「うるへー」とか呟いていた。

 たしかに上の階は、どたばたうるさいのだが、オレ的には眠気が猛烈だったので、寝てしまうのだった。

 ぐーぐーぐー。


【3日目に飛ぶ】


980802a[ IKI life / 壱岐旅行1日目(日) ]

【注意】この旅行記は事実を元にして脚色されたフィクションである。特に登場人物とその台詞は複数人物が融合・シャッフルされてできている。よって、実際の人物像とキャラクターが異なっている場合があることを了承の上で読んで頂きたい。また、時系列も一部話を円滑に進めるために入れ替えてある場合がある。


 そのような訳で、2泊3日で、壱岐まで、仕事場20人の慰安旅行なのだーッ!


 結局、いつものごとく、遊び物とか「あったら便利かもしれないグッズ」とかを満載したら、荷物がとてつもなく巨大で重くなってしまって「また、みんなに笑われるかもなぁ。どうせ、これらのグッズはつかわないしー」とか思ったのであるが、まぁ、徒歩で移動するのは「フェリーに乗る時」と「フェリーから降りるとき」だけで、それ以外は「自動車移動」ならびに「宿に置きっぱなし」になるわけだからして、「ま、いっか」ということで、「持っていきたい物は基本的に全部持っていく」という方針にする。

 持っていった荷物

 基本的に「キャンプグッズ」全般が「考えすぎ」という気がしなくもないが、浜辺でバーベキュウをする予定なので、「あれがない、これがない、けど宿には戻れない」という状況を考えて、いろいろ武装してみた。泳ぐのに飽きて、山歩きとかしてみよう、とか企んだとしたら、最低限度の山歩き装備を持っていた方がいいかもだからね。(以前、手ぶらで登古島の林の中で迷ってあせった過去があるからね)。

 さらに、電脳関係がかなり過剰武装だ。今回の旅行で通信の必要性はかなり低いので(メールでオフミの連絡するでもなし)、はっきり言えば「全部置いていったら楽」なのであるが、まぁ、なんというか「離島から通信してみたまり!」という一種の「モバイル野郎の意地」というか。もはや「通信のための通信」なんだけども。ま、ThinkPadはいざという場合、デジカメのストレージとして働くから、そういう意味でも持ち歩いているのだが。

 けっきょく、一番でかいリュックに全部の荷物をパッキングして、入らない一部を小さいリュックに入れて、でかいリュックの外側に合体させる(親リュックの上に子リュック乗せて)、そしてウクレレは手持ち。どうせ1290円で買ったアロハブランドのAK300だ。

 こ、腰が砕けるぐらい重たい。電車移動だとしたら、JRの駅の上り下りで悶死するだろう。


 けっきょく「もっていくべきか、いかざるべきか?」とか「どうやってもひとつの荷物にならない」とか「ウクレレは裸で持つのか、リュックをケースにするか?」とか悩んでいる間に、時刻は朝6時になってしまった。集合時間は朝9時なので、すでに寝る暇なし。遅刻だけは避けたいので、仕事場に移動して仮眠することにする。

 朝の光を浴びながら仕事場まで自転車で移動。後輪がやばそうにつぶれているのだが。

 仕事場の仮眠ベットを出して、床眠り。


 朝9時に、叩き起こされて、寝ぼけたまま荷物を持って出撃。

 睡眠時間3時間弱。うーむ、乗り物酔いには強いオレではあるが、こんなに睡眠時間が不足してるとやばいかもなぁ。

 巨大リュックに右手にウクレレ、左手に共用荷物のビーチバレーセット(ネットと支柱)を担いで、もぉ「どうにでもして」状態。

 予算に余裕があるので、全員でタクシーで博多埠頭まで移動することにする。全員、ビニールボートとか浮き輪とかボディボードとか海水浴グッズで武装して、かなり「パワードスーツ」状態が高まっているので、これでバスに乗り込んだら乗り降りで大騒ぎになりそうなので、タクシーも仕方あるまい。


 15分ぐらいで、ベイサイドプレイスに到着。

 10時発のフェリーの列に9時15分に並ぶと、日曜だけあって、待合室はギウギウ。列は待合室の中をS字(三重)じゃなくてM字(四重)になっていた。

 8月最初の日曜日、学生風、カップル、ご家族連れ、釣りマニアオヤジ、もぉなんでもござれって感じ。スポーツ大会から戻るのか、でかいバッグもった学生服とセーラー服の軍団すらいるので、いないのは「スーツ姿の出張サラリーマン」ぐらいか?

 というわけで、ぞろぞろとフェリーに乗ったのであるが、もぉ2等船室に入ったときには、すでに植民地分割は終わっていて、しかたなくそのまま素通りして、反対側からデッキに出るより他なし。

 デッキにも人があふれまくり。とはいっても「自分の荷物に座れば座れる」程度の込み具合。壱岐まで2時間立ってなくちゃいけない、とかいうわけではない。


 と、いうわけで出航。

 幼稚園児がそのまま入りそうな巨大なクーラーボックスに満載された20人分のビールを次々に消費する。「荷物が重いから、各自、ビールは胃袋に入れて上陸すること」とか。

 おー、博多湾から見る福岡ドーム、福岡タワー、シーホークは、なかなかええ眺めだー。

 ただ、我々が陣取っていた「後部甲板の左側」が、「福岡ドームを背景に記念撮影」するにはベストポジションだったので「ちょっとごめんなさい」と写真撮りに来る人続出だったので、オレらはビール持って、流浪の旅に出るのだった。るるるるるー。


 酔っぱらったので、ウクレレ弾いてみたり。

 なんでも先週末の「ブロードキャスター」で「いま、ハワイアンブーム」とかいう特集があったらしくて「うわ! モロさん、早速ウクレレですか!」と、からかわれまくり。オレが一月以上前から密かにウクレレにはまっていたことは、数人しか知らなかったのだ。

 つまり、今回の旅行がオレにとっての「ウクレレイスト・カミングアウト」だったわけだ。

 しかも、ウクレレにアップルマークのシールを貼ったのが、仲間ウチではものすごくウケる。「あ、自分で貼ったんですか! また、Appleのウクレレをわざわざ買ったのかと思ってビビリましたよー」とか言われてしまったが、いくらなんでも、アップルはウクレレ作らんだろう......いや、わからんぞ。

 しかし、ウクレレブームなわけだから、壱岐にバカンスに行く人々はウクレレたくさん持ち込むと思ったので「フェリーや民宿でウクレレの取り違えが発生すると嫌だから」と、アップルマーク貼ってみたのだが、見た限り、フェリーにウクレレ持ち込んでるのは、オレ一人のようだ。ましてや、酔っぱらって甲板でポロンポロンと弾いてるバカはオレ一人。

 しかし、ウクレレの音色に振り返った人々は、ウクレレを見るとギョ! っという顔をしてあわてて目をそらすのだった。

 うーん、オレの風体がそんなに怪しいとは思えないので(いや、怪しいのかもしれないが)、福岡近辺では、まだ「ウクレレブーム」は到来してないらしい。確認してないのだが、そもそもウクレレを見たことがないんじゃないか、と思う。「あ、ウクレレだ!」とか「げ、ウクレレ弾いてるヤツがいる!」って顔じゃなくて「げ、あれ何だ? ギターじゃないよな?」という顔な気がする。気のせいかもしれないが。

 素直な反応をするのは、小学生ぐらいか。小学生はウクレレの音に振り返ってウクレレ弾いてるオレを見ると、衝撃を受けた顔をして、かならず親や仲間の所に報告にいって、オレを指さしながら何かささやいているのだった。何を言われているのか不明だが、アンパンマンのテーマやドラえもんのテーマをメロディ弾きするとさらに衝撃を受けていたようだ。ふふふ勝ったな! (小学生相手に勝負するなって)。いや「ポケモン弾いて」って言われたら負けるので、ビクビクしてたのだが。

 小学生には勝ったのだが、仲間から「なんか一曲弾いてみせろ」と言われても、ソロ弾きできる曲が一曲もないので、困ってしまったのだった。「上を向いて歩こう」をコード弾きしても、ボスぐらいしか知らない。むー、坂本九がスキヤキソングで全米No.1を取ったことは、すでに忘却の彼方なのか!(って、オレもリアルタイムでは知らないが)。あと「YESTERDAY」と「Let It Be」をウソ歌詞で歌いながら弾いてみたが「歌でごまかすな」と怒られてしまう。うーむ、オレにとっては鼻歌伴奏楽器なんだから、しょーがないじゃないかー。


 ウクレレ弾きにも飽きたので、船内探検。

 みんな通路にゴザひいて寝ている。のどかで、田舎っぽくて、大変よろしい風景だけど、一瞬「難民船?」とかいう連想が働いてしまった。


 と、前方から全身ずぶぬれの小学生が興奮しながら走ってきて「すげー、波しぶきで、びしょびしょだ!」と親に報告。

 どうやら、博多湾を出て波が高くなったので、船首デッキは波しぶきをくらうらしい。

「ほぉ、そりゃー船っぽくていいな」と船首デッキに近づくと、通路にまで海水が流れてきて、ゴザの人々が必死に退避してるのにぶつかる。

 で、通路の開口部の向こうからは「すげー!」とかいうお子様の大興奮声が。

「そんなにすごいのかー」と思って船首デッキに出た瞬間、目の前の手すりの陰に、お子様らが一斉に隠れるのが見えた。

頭を越えるような飛沫の直撃くらった。

 なんかデッキに出た瞬間に、最大級の飛沫の直撃を食らったらしくて、何がなんだかわからない3秒後には、全身ずぶ濡れです。

 悔しいので、自分の荷物まで引き返して、雨カッパを着用して、再度、船首デッキに向かうオレ。

「来るなら来い!」状態。だが、待っているとなかなか来ないじゃないか。

 待つこと10分、でかいのが来て、周りの小学生どもはずぶぬれ。と、小学生どもがオレの雨カッパに気付いた。

「す、すげー、カッパ着てる!」

 親指をグイっと出してニカっと笑うオレ。親指をグイっと出してニカッと笑い返す小学生。

 だから、小学生と勝負するなって>オレ。


 小学生に勝ったので、通路を戻っているとボスがやってきて「雨カッパ着るほど飛沫がくるのか?」とか笑うので「いやー過剰武装でしたねぇ」とか答える。「そうか、ちょっと行ってみるか」とボスは船首デッキに向かう。

 約5分後「どうして、あの時、カッパを私にかしてくれなかったんだね」と滴をポタポタと垂らしたボスが不機嫌そうに戻ってきた。わはははははは。


 12時15分に壱岐に到着。

 レンタカーを借りにドライバー連中が出かけたので、自動車が到着するまで、炎天下で待つ。

 船内で飲んだビールが効いてラリラリな状態なオレは、ひたすら「上を向いて歩こう」を無限ループで弾く。

 で海水でぬれた衣服を地面のタイルに並べて乾かす。

 うおーみるみる乾く。すげーすげー。裸足じゃ危なくて歩けないぐらい熱いぜ。けど、海水だから、乾くとベタベタするじゃないか。しまった真水ですすげばよかった。


 到着したのは、壱岐の南端の郷ノ浦の港。

 レンタカーで15分程走って、東端の壱岐空港の近くの民宿に到着。

 昼飯は弁当。3分で食い終わる。

 というわけで、海パンに変身して、泳ぐぜー


 というわけで、自動車で5分ぐらいの筒ヶ崎海水浴場に到着。

 うーむ、すごい人出だ。

 しかも、砂浜は長いが幅が狭い。

 しかも、海は遠浅で、しかも、すぐそこにブイが浮いている。


 というわけで、ビーチパラソルを立てようとしたのであるが、風が強くてうまく立たないので挫折。

 しかも「あ、レジャーシート、宿に忘れてきた」だとぉ!? ばかもーん!

 ばかもーん! と文句言ってもしょうがないので、ここぞとばかりに取り出しましたるは「しょうがないなぁ、のび太くんはー。ツェルト! キカカキーッ!(ドラえもんの声で)」

 ツェルトってのは、ナイロンでできた三角テントね。本来は、山登りの時とかに持っていって、御飯食べるときとか、休憩時の風よけとか、いざ野宿(ビバーク)するときに簡易テントに使うものなのだが、レジャーシートにしたり、くるまってウソ寝袋にしたりするものなのだーッ。

 と、いうわけで、レジャーシートのかわりにするのだった。


 さーて、もの凄い晴天なので、塗るぜー日焼け止め。去年50%反射物でひどい目にあったので、今年は85%反射のヤツだ。しかも、首後ろ、肩、鼻の頭あたりが集中的にやられるから、そこだけ念入りに塗ってみた。うむ、「透明タイプ」というだけあって、白いがのばすとわりと透明だな。

 うーむ、なんか、みんな顔に塗りまくっているが、そこまで真っ白にすると、なんか「麻呂はいってる」というか「志村けん、のバカ殿さま」みたいだ。


 泳ぐぜー。

 フルフェイス水中メガネとシュノーケルと足ヒレ使うぜ。

 うー、久しぶりにシュノーケルくわえると、ゴムっぽくて吐きそうになるなぁ。気合いで空気を吸い込むも「うえー」となって中身が出そうというか。

 しかも、なんかシュノーケルクリア(潜水後にシュノーケルに息吹き込んで中の水を飛ばす操作)のことをすっかり忘れてて、潜ってる間に息全部吐いてしまって、水面に出た時にはシュノーケルに吹き込む息がない。思いっきり海水飲み込んでゲボゲボゲボゲボ!

 あわててシュノーケルをもぎ取ったら一緒に水中メガネもとれるから海水が目に入る。あああああ、喉が痛い。目が痛い。鼻の奥が!

 ゲボゲボゲボゲボ。

 ブイの上に座って体勢を立て直す。いやー万が一を考えてブイに掴まれる場所で潜水してみるぐらいには警戒してても、「とりあえずシュノーケルクリアの練習してみる」ぐらいのことをしなさい>オレ。


 と、いうわけで、しょっぱなから海水飲んでますけど、以後は、快適にシュノーケリング。

 けど、なんか海水が黄色く濁っていて、足先の足ヒレがかすんで見えないぐらい透明度が低い。これじゃつまんないなぁ。

 とはいえ、足ヒレいいなぁ。オイラあんまり水泳得意じゃないから、バタ足とかカエル足とかじゃ、あんまり推進できないんだけど、足ヒレ、労力ぬきにぐんぐん加速するからいいなぁ。調子乗ってると、岩に激突したり、思った以上に深く潜ってて浮上時に息が続かなかったりするけど。わははは。


 砂の海底にはあまり魚もいないし、水深も2.5mぐらいで、いまいちなので、岩場に移動。

 岩場も、あんまり生物がいなさそうなんだけど、浮かびながら見てると、ヤドカリがたくさんいたので、ヤドカリ観察。

 いやー、なんつーか、「たかがヤドカリ」なのであるが、科学少年の血が騒ぐというか、NHK教育テレビ的脳ミソモードに入るというか、見てて飽きないなぁ。

 海草をハサミで切って、口元に運んでいて、よく見ると口の所にも小さなハサミがあって、その奥にも......って具合に吸い込まれそうだなぁ。まー小さいヤドカリだから見てられるけど、これ一定以上大きかったら怖いよなぁ。


 あんまり浮いてるとドザエモンだと思われそうなので、充分堪能したあたりで切り上げて浜辺に上がる。ほんわかぱっぱ。


 浮きマットに乗って、ゆらゆらと波間に漂ってみたり。

 浮きマットでゆらゆらしてると、「あーなんかいいかんじだー」と眠くなって居眠りっぽい状態になるんだけど、浮きマットの嫌なところは「ふと気付くと浜辺に打ち上げられていた」って所だなぁ。波間にアホヅラでぷかぷか浮いていてもいいけど、浜辺にアホ面さげて打ち上げられてると、思いっきり恥ずかしいというか。

 すんなりと打ち上げられて気付かないのも恥ずかしいけど、耳元に波音がすると思った途端に、波打ち際の段差でマットが転覆して水中に放り出されるのも格好悪くてイヤンだなぁ。

 って、何が一番嫌かと言えば「突如飛んできたフリスビーが顔面を直撃する」ってヤツだなぁ。

 ポッコーン!

 な、なんだ!? うわ、ドボン! ぶくぶくぶく。

 というわけで、仲間が受け損なったフリスビーに撃沈されたオレはフリスビー投げにまざるのだった。

 まっすぐ飛ばすのは割と得意なのだが、まっすぐしか飛ばないと、くやしいものだな。で、カーブとかシュートとかやってるうちに、まっすぐ飛ばなくなってしまうのが世の常だよなぁ。


 泳ぎ疲れたので、チュウハイなんぞをごきゅごきゅと飲む。酒にあまり強くないオレは、泳ぐときは飲まないし、飲んだら、それ以後は水中には入らないのだった。酒に強いボスを含めて仲間達は「酒に酔って泳ぐのが楽しいんじゃないか。だめだなぁ」と口々に言うのだが、オレはオレだからして。皆さんは、どうぞ気持ちよく飲んで泳いで溺れてくれ。

 酔っぱらっていい気分でウクレレ弾く。「上を向いて歩こう」「Let it Be」「Yesterday」「いとしのエリー」「涙のリクエスト」と、コード進行を暗記してる曲はすぐに無くなってしまったので、あとは「戦場のメリークリスマス」のメロディ弾きなんぞをして暇をつぶす。

「君が弾く曲は、ことごとく理解できてしまうのだが、私にわかる曲ばかり演奏する君はナツメロな人なんだねぇ。最新ヒット曲とかは練習しないのかね」とかボスに言われてしまう。うーむ、いわれてみれば、ナツメロだよなぁ。悔しいので、最新ヒットとしてkiroroの「長い間」とか「未来へ」とか弾いてみるが、なんか全然最新ヒットにきこえないぞー。

 へろへろとしているうちに17時になったので撤退。


 宿に戻って水シャワーで砂を落として、風呂に入る。

 なんか、この海水浴シークエンスは、小学生からかわってないなぁ。

 風呂上がりにアロエジェルを塗る。「日焼けが痛いヤツはみんな塗れ! 塗りまくれ!」というわけで、塗りまくる。

 ふと見渡すと、日焼けした野郎達が、全身をぬらぬらと光らせてるのは、なんか、例えは悪いが「AV男優の集団」みたいで、ものすごーく、イヤーンな感じだ。


 クーラーの効いた部屋で、夕食までゴロゴロしていると、気持ちよくなって居眠ってしまう。

 ほわー、極楽だなぁ。こういうのを「しあわせ」というのだろうなぁ。


 晩飯はサシミの船盛りで宴会だー。

 タイのサシミだー。サザエのサシミだー。壱岐なのにウニもイカもないのは、予算の関係かー? わははは。

 タイの吸い物だー。うまいなぁ。魚って旨いなぁ。

 うーん、やっぱ、サシミは白ご飯だなぁ。ビールじゃなくて。しょうがないから、とりあえず、ビールを先にコップ五杯ぐらい飲んでおこう。

 おぉ、まわってきたまわってきた。オレって低燃費高出力だなぁ。わはははははははは。


 特命リサーチ200Xで、四谷怪談の謎を見る。むー、けっきょく広告代理店が全部悪いことにしよう! 「呪いは実在した!」ってのも怖いけど「世にはびこる呪いは、全部、宣伝から発生した迷信だ!」ってのは、もっと怖い。


 オレはボスと同室だったのだが、ボスが22時で寝てしまったので、別の宴会部屋に移動。

 なんか、酔っぱらってウクレレをてろてろ弾いていたような気がするのだが、大ボスに捕まって説教されてしまった。

「説教されてしまった」らしいが、あまり記憶に残ってない。わははははは。いや、もー、酔っぱらいですから。はい。


 宴会部屋で居眠りしていたらしいが、24時に再起動。

 みんな、眠り始めたので、ThinkPadを取り出して、接続実験を開始。

 壱岐はPHSは壊滅。携帯もドコモしか電波が来てないので、PHSカードは無理。

 外部につながってる電話線は、ロビーの緑電話のみ。

「音響カプラぢうやう!」って感じだなぁ。

 で、ニフティの長崎APの番号に向かって音響カプラでダイヤル。

 んがしかし「話し中です」ばかりだ。変だなぁと思ってカプラと受話器の接続部分に耳を押し当ててみると、カプラからプッシュトーンが出ているのだが、緑電話はそれでダイヤルされてくれない。

「はて、どうしたもんか」と思ったのだが、いろいろ調節するのが面倒になったので強引な手法をとることにする。

 音響カプラって、このインチキ具合がいいよなぁ。速度は9600しか出てないけど、

 まぁ、本当ならダイアルアップネットワークのプロパティで「オペレータあるいは手動接続」か何かをチェックしておくべきなのだろうが、ま、つながればいいわけで。どうしてもダメな時に考えましょう。


 リムのメールを落とす。

 おろ、仕事場メールサーバがダウンしてる。うーむ、これは「仕事の事は考えなくていいよ」という神のおぼしめしだろう。そうしようそうしよう。

 ワープボードにちょっとだけ書き込む。

 ネットサーフィンする気にならないので切断。

 電話大100円もいかなかったな。

 おぉ、電源警報が!

 ワープ日記書く気力が出ないので、部屋に戻ってコンセントに接続して充電しつつ、寝てしまうことにする。


 で、寝る前にトイレにでも行くかとロビーに戻ると、旅行幹事が床にはいつくばって何か探している。

 なんとレンタカーの鍵を落としたらしい。

 けっきょく、夜の1時から2時半まで、大ボスとボスを除く全員で、鍵の大捜索になってしまったのだった。ねむいー。

「仕事場の金田一と呼んでくれ」とか「仕事場のコナンと呼んでくれ」とか次々に名探偵が登場して口々に推理が出てくるのだが、鍵は出てこない。

「犯人は......お前だ! ビシっ!」と旅行幹事を指さす名探偵。「はいはいはいはい、最初からオレが犯人だよ。ケッ!」と幹事。そうなんだよなぁ、犯人は最初からわかってるんだってばよ。

 けっきょく鍵は見つからないまま、翌朝別の車でスペアキーをもらいに行くことにして、みんな寝ることにする。

 おやすみー。ぐーぐー。


【2日目に飛ぶ】


980801a[ daily life / 日常生活(土) ]

 あう! もぉ8月なのか。まいったな。

 起きたら昼すぎだったあるよ。なんかグッタリというか。

 旅行の荷物をほどいて、そして、また次の旅行の荷造りをするので、なんというか面倒あるよ。

 仕事場行って、木曜、金曜の出来事を確認して、今度は、月、火の間の仕込みをしておくことよの。

 うーん、何がなんだか、もはやわからなくなってきたなぁ。

 ま、いっか。壱岐の浜辺でウニ丼食って、ウクレレ弾いてればよいということで。

 問題は、良いウクレレ(2万円)とヘボウクレレ(2千円)のどちらを持って行くべきか、ということだな。仲間は「どうせ壊すんだから、ヘボい方じゃないと泣くぞ」と言うのだ。そうだろうなぁ。

 そういうわけで、ヘボウクレレに、Appleマークのシールを貼ってみた。お、なんか、愛情がわいてきたかも!


 あーぼんぼこ、花火の音が。

 20時か。大濠花火大会の開始時刻だな。

 うーん、窓からみると、ちょうど、でかい看板の真後ろで花火が開いているなぁ。

 サイズ的には「一杯に手を伸ばした時の親指」ぐらいかな? へー、でかくみえるけど、親指サイズなのか。


 う、壱岐って長崎県だったのか。なんとなく福岡県だと思いこんでいた。長崎のAPの電話番号を調べねば。

 宿にPHS電波が届いていれば、接続は簡単なんだよねぇ。APに向かって電話するだけだから。

 グレー電話でも、まぁ、電話の横で通信しなくちゃいけないことを除けば、接続は楽なんだよなぁ。

 緑電話になると、音響カプラの出番なんだよなぁ。これがうまくいくかどうかは、電話との相性次第だからねぇ。

 ピンク電話が、一番つらいんだよなぁ。ダイヤルだから、APまで手動でダイヤルしないといけないから、タイミングが難しい。しかも、テレホンカードが使えないから、コイン積み上げて、つぎつぎに投入しなくちゃいけないからなぁ。0070には電話がつながるから、リムの全国共通番号が使えると、けっこう楽なんだけどね。


 980731aに旅行記を追加してみた。


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